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|楽器紹介
歴史や種類など、様々な角度からリコーダーのことを紹介します。
|リコーダーの名前の由来
リコーダーは英語で「recorder」と書きます。
名前の由来は定かではありませんが、綴りから「to record」という動詞が連想されますね。
「録音する」という意味でよく用いられるこの単語には「鳥のように歌う」という意味もあるのです。
従ってリコーダーという名称は、鳥の歌声にちなんでいるとする説もあります。
我々もリコーダーで鳥のようにさえずりたいものです。
||豆知識
イギリス以外の国においては、リコーダーを「~の笛」と呼ぶのが一般的でした。
イタリア…「flauto dolce = 甘い音の笛」
ドイツ…… 「Blockfloete = 栓(頭部管内側の取り外し可能部分)の笛」
フランス…「flute a bec = 嘴の笛」あるいは「flute douce = 甘い音の笛」
「笛 = flauto」と言えばリコーダーを指し「向きの変わった笛」という名で横笛を指していた時代もありました。しかし時代と共に横笛が主流となったことから、現代では「笛 = flute」と言えば横笛を指すようになったのです。
|リコーダーの歴史
リコーダーは中世・ルネサンス・バロックの各時代にヨーロッパで演奏されていました。
この頃に制作された楽器は現在も博物館などに伝わり、リコーダーについて触れられている古い文章や絵画も遺されています。
しかし、バロック時代以降は声量・音色の面でフルートがもてはやされるようになりました。
リコーダーは次第に演奏されなくなってしまったのです。
リコーダーが再び注目されるようになったのは、1900年頃のことでした。英国の音楽家がリコーダーに興味を持ち、演奏と製作を始めたのです。現在では多くのリコーダー演奏家・製作家・愛好家がいます。
ちなみに日本の義務教育で使われている樹脂製のリコーダーは、バロックタイプのものをモデルに作られています。そのため、ルネサンスタイプのものとは形・音色などが少し異なっています。
|リコーダーと楽曲
リコーダーの曲には、リコーダーが盛んに演奏されていたバロック時代以前のものと、他の楽器のために書かれた曲を編曲したものとがあります。
ルネサンス時代中頃までは曲に対して楽器を指定しないことが一般的であったため、リコーダーと指定されていない曲にも演奏に適した曲があります。
バロック時代にはヴィヴァルディ・ヘンデル・テレマン・バッハといった、よく名の知れた音楽家がリコーダーのために曲を作っています。
現代の作曲家もリコーダーの曲を作っています。
|リコーダーの種類
リコーダーには、音域が高い順に下記の種類があります。
教育に使われるのは主にソプラノ・アルトで、アンサンブルではこれらにテナー・バスを加えた4種類が多く用いられます。
ヴォイスフルート以外の各リコーダーの音域は、上から順に約半オクターブずつ下がっていき、1つ飛ばしで見るとちょうど1オクターブずつの音域差があります。
運指はすべて同じですが、ソプラノやテナーでは最低音がCである(=C管)のに対し、アルトやバスでは最低音がFの音(=F管)になっています。
吉沢実『NHK趣味悠々 アンサンブルで楽しむリコーダー』(2001年、日本放送出版協会)及び放送を一部参照